[ 生物多様性環境問題におけるブラックバスを考える]     3月 11日 2002

                       滋賀県フィッシングボート協同組合

  はじめに: 現在ブラックバスについは日本全国的に論議がかわされていますが、

私達はその代表的存在であります日本最大の湖、バスフィッシングのメッカとなっています琵琶湖について、現在まさに行政、漁業協同組合、生物学者諸氏と議論をかわしております立場から 現在までの琵琶湖のブラックバス問題の疑問点を、各方面からの公平な考えを尊重してご報告するものです。

  琵琶湖ではバスの生息が確認されてから 既に二十数年が経ちますが、この間にバスフィシングを楽しむ人たちの数は飛躍的に増え続けて来ました。 「獲って食べる」旧来の「釣」から 「キャッチを楽しんでリリ−スする」という欧米スタイルの新しい遊びが若い世代を中心に スケートボード、ウインドサーフィン、他の新しい感覚のプレジャーと同様に 新しいアウトドアの一環としてRV(近年のリクリエーショナルビークル、アウトドア嗜好4輪駆動車)の進化、広がりとも相まって自然に受け入れられて行った結果です。 この間にブラックバス釣用に貸し出すレンタルボートや バスボートを水辺で保管するマリーナ業務を営む者も徐々に増え、現在琵琶湖周辺に大小約80ほどの業者が生計を立てています。私たちはこの琵琶湖周辺のバスフィシングに関連しました業者40数社が集まって作りました滋賀県認可の協同組合で、バスフィッシング愛好者の琵琶湖で遊ぶマナーの向上や、湖上安全の推進、琵琶湖の環境改善等を目標として ブラックバスの問題に付きましても、滋賀県自然保護課、琵琶湖適正利用懇話会、漁連青年部、水産生物学者諸氏ともお話を進めてきております。

  近年、人気歌手やタレント達も愛好者に加わり飛躍的にブームになりましたバスフィッシングは、反面バスの生息する水域現場では 他府県や県内から水辺を訪れるバスフィッシング愛好家達とは裏腹に、地元琵琶湖で漁業を生業とする人たちや生物学者諸氏にとっては バスは違った意味合いで受け止められてきたようです。 バスが現れる以前より琵琶湖は(特に南湖とよばれる琵琶湖大橋より南の周囲に大津、草津、守山などの大きな生活集落が存在する地域は)周辺集落からの生活廃水等により 水質の悪化が進み、「 原因不明 」と言われながら、鮎の冷水病等で水産水揚げは年々落ち 琵琶湖真珠と呼ばれた淡水真珠産業も母貝の成育が悪くなり ほとんどが中国産淡水真珠に取って替わられる状況になって来ていました。

 現在外来魚と言われていますのは ブルーギル、ブラックバスが2種共に一括りにされて「害魚」と位置ずけられ 釣人が密放流したものの様に言われて来ています。 しかし琵琶湖適正利用懇話会の委員である水産生物学者の人達も認識されていますが、現在琵琶湖で水揚げられる「外来魚」の9割に当たるブルーギルは(この数字は地元の漁連の漁師さん達も認識している現実の数字です。)バスの現れます前に滋賀県水産研究所に移植され、当時は全国的にブルーギルを養殖販売や釣の対象として国をあげて増やそうと取り組んだ事実があり、琵琶湖の淡水真珠養殖者達の母貝組合もブルーギルがこの母貝の稚貝の中間宿主であることから 琵琶湖淡水真珠の復活をブルーギルに夢を託して増殖を進めた時期があったのです。 が、しかし琵琶湖の水産学者の方達の「ブルーギル増加の原因」は水産研究所から何らかの理由で「流出した」というのが認識だそうです。かたや、水揚げの1割にしか当たらないバスが「害魚」の代表であるように言われ続けて来ましたが、バスに関しての食害の実質研究はこれまでの短期間に十分な実際の研究がなされておらず、漁業者の差し出した「エリ漁の網の中で、障害物も無く、十分時間をかけて たらふく餌を食べたバス」が食害資料として取り上げられて来たのが現状です。水槽の中に障害物も競争者もいない状態で餌を与えられた状況とは違い、障害物も競争者も沢山いる自然環境のなかで、果たしてバスがどれだけたくさんの餌をとって食害を起こしているのか、十分な研究はいまだにされていません。バスの食害を語る前に、水質の悪化や琵琶湖の水辺周辺の開発工事による水産生物の繁殖場所の急激な減少がその大きな原因であることは 多方面から指摘されている事実ですが、琵琶湖適正利用懇話会の委員の方達が言われますように、県はこの原因を口にすると「それは言わないでくれ」と方向を変えます。 考えてみると漁師の方達にとりましても「水質の悪化」、「琵琶湖周辺の開発工事の悪影響」をいくら県に追求しましても 対策費が保証されるすべも無く、「害魚」への対策予算の引き出しに 唯一の対策の方法を見出した様にも思えます。 事実、県としましても「水質対策」「開発による環境の悪化」に対応するよりも、「害魚」の対策を善処する方が一般世論への聞こえも対策予算もたやすい事も事実かと思えます。 実際先の事実の様にブルーギルの繁殖には県水産試験場、当時の漁連が水産業の発展を期待して深く関連しているにも係わらず、マスコミを通じて現在一般に思われていますのは ブラックバスがブルーギルよりも大きな問題であるかの様に主客が転倒している現状があります。ブラックバス登場から現在まで、地元琵琶湖では漁師さんや学者諸氏がバスの弊害を訴えてこられた20数年もの間、かたやバスフィッシングのブームの当事者である 釣具メ−カ−、販売業者、釣人達 どの方面からも 滋賀県行政にバスに付いての食害研究、経済効果の提言、マナーの問題解決努力等が何も行われて来ておらず、県自然保護課の指導の中にもご指摘のある通り、「行政は進言の沢山ある事項に耳を貸さない訳にはいかない。実際に琵琶湖にくるブラックバスの釣人はそんなにマナーが悪いわけでもなく 砂浜を4輪駆動車で走り回ったり、立ち入り禁止の杭を抜いたりの一部のマナーの悪いジェットスキーの連中と同一視されている」事ほか色々と言われてきた事があるが 釣人の立場から誰も何もしなかったでは無いか」と言う事実が 現在のバス害魚論を広く創りあげて来た事実があります。ブラックバス釣を楽しみに琵琶湖を訪れる人達による経済効果は年間50億ともそれ以上とも試算されており、これは現在すでに出来上がっている事実ですが それに対するバスの弊害は、実際の調査研究は出来上がっておりません。 私達滋賀県フィシングボート協同組合はこれらを深く検討して、決して釣人や関連業者の勝手を押すのではなく、客観的に事実問題を研究検討することに強く努力をしています。 昨年秋から進めています釣人100円募金は、琵琶湖に1回釣にくる度に100円を募金して琵琶湖の環境改善に釣人自身がつとめようと訴えるもので、この資金をもとに 釣人が使用したワームの湖底からの回収や、環境の改善対策費に当てています。 また今年は米国の政府釣行政機関であります「US Fishing Wildlife Service 」の全面的資料提供の協力を戴き、また米国のブラックバス&ブルーギル研究の第一人者である著名な教授に琵琶湖での来日長期実態調査をお願い出来る運びとなり(財)日釣振のご賛同ご後援もいただき現在具体化を進めているところです。また先日現在琵琶湖にブラックバスフィシングを楽しみに来ている釣人に、あなたはもしも琵琶湖がリリース(再放流)禁止になったら 琵琶湖に釣りに これまで通り来ますか? 来るのが減りますか? 来ませんか?  またもし来た時には リリースをしませんか? しますか? というアンケートを尋ねたところ、僅かな時間の間に沢山の意見が寄せられ、関心の高さが感じられました。 経済効果の一部を感じれるように思えます。ご参考にこのアンケート資料も添付いたします。私達は琵琶湖に付いて、ブラックバスの実際の利用価値、弊害についてこれまでただ憶測で言われて来ました風潮を実際の調査で明らかにすると共に、利用価値の有無、弊害の大小等実態を解明して環境への本当の影響をどう考えるのか、同時に琵琶湖の本当の環境対策に必要な事は何なのか? 私達関連者自らも毎日の努力をお約束すると共に 何事にも決して「代替え」案ではなく実態の対策を進めていただける様に 行政各機関にお願いするものです。よろしくご検討の程お願い申し上げます


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